大植英次 躍動のタクト バイロイトから凱旋 6月広島公演 全曲ワーグナー 実力派歌手と共演
(2006/03/19付)

 
広島市佐伯区出身の指揮者大植英次が率いるハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーが6月2日、広島市中区の広島厚生年金会館で公演する。昨年夏、伝統あるドイツ・バイロイト音楽祭でタクトを振った大植の2年ぶりの広島凱旋(がいせん)公演となる。(里田明美)

 バイロイト音楽祭は、ワーグナーのオペラ上演で人気のある世界的な音楽祭で、毎年7、8月に開かれる。大植は昨年、東洋人として初めてその指揮台に立ち、オペラ「トリスタンとイゾルデ」を6回指揮した。歴代の有名指揮者がタクトを振った音楽祭であり、世界中の熱狂的なワーグナーファンが集まる場で、鮮烈な欧州オペラデビューを飾った。

 今回の演奏会は、大植の同音楽祭への出演を記念して、すべてワーグナーのプログラムとした。歌劇「リエンツィ」序曲でスタートし、ジークフリート牧歌、楽劇「ワルキューレ」第一幕(演奏会形式)を演奏する。

 「ワルキューレ」は、15時間に及ぶ壮大なオペラ「ニーベルングの指環」を構成する作品。第3幕にある「ワルキューレの騎行」が映画「地獄の黙示録」に使われたことで有名だが、第1幕もかなりドラマチックで美しい音楽が連なる。歌手は、バイロイト音楽祭で熱演したロバート・ディーン・スミス(テノール)をはじめとする実力派3人の出演が見どころだ。

 北ドイツ放送フィルは、ドイツ国内でも定評ある演奏で知られるオーケストラの一つ。大植は、2004年6月にも同フィルを率いて広島で演奏し、躍動感あふれる指揮で聴衆を魅了した。

 今年は、東京や名古屋など全国七都市公演を予定。2日の広島公演が初日で、翌3日は出雲市民会館でも演奏する。広島公演は午後6時半開演。